【眠りが浅い人必見】眠りを浅くする原因と改善法5選!
「寝たはずなのに熟睡した感じがしない」
「夜中に起きてしまうことが多い…」
眠りが浅い状態が何日も続くと脳が十分に休まらず、心身に悪影響を及ぼしかねません。
上に挙げたような、眠りが浅いことにお悩みの方は睡眠の質が低下しているのかもしれません。
人は年を取るにつれて睡眠が浅くなっていきますが、眠りが浅くなる原因は身の回りにあることも多いです。
睡眠の質を改善するためには、まず眠りが浅くなる原因を知り、その原因を取り除くことが先決です。
この記事では、「眠りが浅い」状態はどういう状態なのか、またその状態を引き起こす原因は何かをご紹介します。
原因に思い当たるものがあれば、すぐに改善していきましょう。
1. 睡眠のメカニズム
1-1 レム睡眠とノンレム睡眠
睡眠には次の2種類があります。
・レム睡眠(脳は起きていて働いているが、体は眠っている状態。記憶の整理・定着等を行っている。)
・ノンレム睡眠(脳も体も眠っている状態。脳を休息させる等の役割がある。)
人が入眠した後、すぐにやってくるのは深いノンレム睡眠です。そして、入眠後およそ90分後にやってくるのがレム睡眠の1周目です。
この「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」のサイクルが明け方までおよそ90分交代で現れ、
それを何度か繰り返した後、
明け方に近くにつれノンレム睡眠の間隔が短く、反対にレム睡眠の間隔が長くなっていくのが通常の睡眠リズムです。
なお、睡眠サイクルにかかる90分という時間は平均で、体質や年齢等による個人差があります。
1-2 眠りが浅いとは?
眠りが浅いというのは、2つの睡眠のうち、脳が休んでいるノンレム睡眠の時間が短く、反対にレム睡眠の時間が長いことで、脳が十分に休まっていない状態をいいます。
レム睡眠だと脳は起きているので、レム睡眠の割合が多いと、光や物音で目が覚めてしまうことが増えてしまいます。また、目覚めた後の熟眠感・満足感が得られにくいです。
眠りのリズムとは、レム睡眠とノンレム睡眠が約90分周期で交代でやってくること
眠りが浅いとは、脳が休んでいるノンレム睡眠の時間が短く、脳が起きているレム睡眠の時間が長いため、脳が十分に休まっていない状態をいう
2. 眠りが浅くなる原因
2-1 カフェインの摂取
カフェインには覚醒作用があることはとても有名ですが、個人差はありますがこの覚醒作用は一般的に若い人で1〜2時間、高齢者では4〜5時間以上続くと言われています。
また、カフェインには利尿作用があるので、夜中にトイレで起きてしまう、ということが増えてしまい眠りは浅いものになります。
少なくとも夕食後はカフェインの摂取は控えるようにしましょう。
以下の食品にもカフェインは含まれているので注意してください。
図. カフェインが含まれている主な食品
食品の種類 | カフェイン含有量 | 備考 |
---|---|---|
コーヒー | 60mg / 100ml当たり | 浸出方法 : コーヒー粉末 10g を熱湯 150ml で |
玉露 | 160mg / 100ml当たり | 浸出方法 : 茶葉 10g を 60°C のお湯 60ml で 2.5分 |
紅茶 | 30mg / 100ml当たり | 浸出方法 : 茶 5g を熱湯 360ml で 1.5 〜 4分 |
煎茶 | 20mg / 100ml当たり | 浸出方法 : 茶 10g を 90°C の湯 430ml で 1分 |
烏龍茶 | 20mg / 100ml当たり | 浸出方法 : 茶 15g を 90°C の湯 650ml で 0.5分 |
エナジードリンク | 36 〜 150mg / 製品1本当たり | 製品によって、カフェイン濃度及び内容量が異なる |
ミルクチョコレート | 28mg / 100g当たり | |
ハイカカオチョコレート | 84mg / 100g当たり | カカオマス 70% |
2-2 アルコールの摂りすぎ
アルコールには気持ちを落ち着かせる作用と、眠りに誘う作用があるので寝つきはよくなりますが、
この作用は3時間ほどで効果が切れてしまいます。
効果が切れると、アルコールが代謝される過程で脳が逆に興奮し、覚醒とともに浅い睡眠が増えてしまいます。またカフェイン同様、利尿作用もあるので夜中に起きてしまうことが増えます。
さらに、毎日多量のアルコールを摂取していると、眠りに誘う作用に次第に身体に耐性がつきはじめ、それでも眠ろうとしてアルコールの量が増えてしまう、といったアルコール依存症になる危険もあります。
深い睡眠をとるために、お酒はほどほどにして、寝酒をするのは控えましょう。
2-3 ストレス
ストレスによるイライラや緊張は、脳を活性化させる交感神経を働かせるので、就寝前にイライラしているとなかなか寝つけなくなり、
眠れたとしても浅い眠りになり、熟眠感が得られなくなります。
趣味など、自分なりの発散方法を見つけて、ストレスを抱え込まないようにしましょう。
2-4 寝る前のスマートフォン・パソコンの使用
強い光を見ると人の脳は活性化してしまいます。
特に、スマートフォンやパソコン等から発せられる「ブルーライト」という光は、人を睡眠へと促すホルモンであるメラトニンの分泌を抑えてしまいます。
就寝前1時間は使用を控えるようにして、少なくとも布団に入ってからはスマートフォン等を長時間使用しないようにしましょう。
2-5 寝室環境
睡眠の質は寝室の環境によっても変わってきます。
① 明るさ
夜なのに部屋が明るすぎると、
睡眠ホルモンのメラトニンの分泌が抑えられてしまいます。
メラトニンは部屋が暗いほど分泌されやすいので、夜の室内は少し暗め、就寝時は真っ暗が理想です。
ただし、真っ暗な部屋だと不安になってしまうという方は、間接照明等を活用するのが良いでしょう。
② 音
自分の好きな時に聴く好きな音楽とは違って、強制的に耳に入ってくる騒音は心身に悪影響を及ぼすこともあります。
WHOが2009年に公表した夜間騒音ガイドラインによると、40デシベルを超える音は、睡眠に悪影響を及ぼすとされています。※1
40デシベルは、図書館のような静けさをイメージすると分かりやすいです。
自宅の外の騒音に対処するのは難しいですが、寝室においては音の出る家電等の配置や設定に気をつけましょう。
カフェインの覚醒作用は個人差はあるがおよそ4時間以上続くので、就寝前の摂取は控える
アルコールには寝つきやすくする効果はあるが、その効果は3時間ほどで切れるので寝酒は控える。
ストレスは交感神経を働かせるので夜寝つきにくくなり、浅い眠りになるので日頃から溜め込まないようにする
電子機器から発するブルーライトは睡眠ホルモンのメラトニンの分泌を抑え、目が覚めてしまう。就寝前1時間には使用を控える
寝室の明るさは暗いほどメラトニンの分泌を促すので、夜は寝室の明かりを暗めに設定する
40デシベル(図書館のような静けさ)を超える音は睡眠の質を妨げる恐れがある。音の出る家電等の配置や設定に気をつける
3. まとめ
眠りが浅くなる原因をご紹介しました。思い当たる原因はありましたか?
ポイントをまとめると、「就寝前はカフェイン・アルコールの摂取、電子機器の使用は控え、暗く静かな寝室で、リラックスしながら眠りにつく」ということになります。
この記事を読んでピンときたものがあったなら、その原因を改善しましょう!
※1 WHO Regional Office for Europe, Night noise guidelines for Europe, Copenhagen: WHO Regional Office for Europe (2009)
厚生労働省 "不眠症" https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-02-001.html 2020年8月7日アクセス