【冬のおすすめ寝具】冬の掛け布団と毛布の選び方!
軽く運動したり、入浴でリラックスしたり…等、眠る準備を整えても、冬のように極端に気温が変化する季節の場合は、寝床の環境によってはせっかくのコンディションが台無しになる恐れがあります。
冬は暖かくするために特に寝具を多く重ねてしまいがちになりますが、その寝具の組み合わせは重要です。
布団や毛布の素材に気をつけることも必要ですが、就寝時の寝具を重ねる順番にも気をつけなければいけません。
この記事では、冬におすすめの掛け布団や、毛布の選び方をご紹介します。
寝具における快眠を得るためのコツも合わせてご紹介するので、参考にしてみてください。
1. 冬の寝具を選ぶポイント
1-1 「寝床内気象」を快適に保つ寝具
寝床内気象(しんしょうないきしょう)とは、人と寝具との間にできる空間の温度・湿度のことをいいます。
寝具メーカー西川株式会社の社内研究機関「日本睡眠科学研究所」によると、※1
理想的な寝床内気象の条件は、温度が「33 ± 1℃」、湿度が「50 ± 5%(RH)」としています。
この基準に合わせるために、保温性と吸湿性ができるだけ優れているものを選ぶ、ということが一つのポイントになります。
1-2 ポイント①:保温性
冬の寝具において一番重要なのは「保温性」です。
寒い日でも快適に眠るためには寝床の中を一定の温度に保つ必要があります。
また、保温性が高ければ掛け寝具を何枚も体の上に重ねずに済むので、圧迫感なく眠ることができるというメリットもあります。
1-3 ポイント②:吸湿性・放湿性
人は季節にかかわらず寝ている間にコップ一杯分の汗をかくと言われています。
これは、眠るために深部体温を下げようとしているからです。
湿度が高いと汗をかきづらくなるため深部体温が下がりにくく、なかなか眠れない、睡眠の質が悪くなるということにもなり得ます。
また、次第に布団の中が蒸れて寝苦しくなり、不快感で目覚めてしまうことや、寝ている間に布団を跳ね除けてしまい、結果的に風邪を引いてしまうこともあるかもしれません。
寝ている間にたくさん汗をかくため、そのままにしておくと寝床内の湿度は次第に高くなっていくので、汗を素早く吸収する「吸湿性」、湿気を放出する「放湿性」の高い寝具を選ぶことが重要です。寝床内の湿度を高くしすぎないようにする必要があります。
1-4 ポイント③:軽さ
快適な睡眠には、寝具の重量も大切なポイントです。
大人は一晩に20〜40回寝返りをうつとされています。
寝返りには、レム睡眠やノンレム睡眠といった睡眠の段階のスムーズな切り替え、体温の調節、寝床内の温度調節などの役割があるといわれています。
ずっしりとした安定感が好きな方もいらっしゃるかもしれませんが、布団が重いと、スムーズな寝返りを打てなくなるので睡眠の質が悪くなる恐れがあります。
また、息苦しさや圧迫感を感じて眠りにくくなる、ということもあります。
血行が悪くなって体の疲れが取れなかったり、肩こりや冷え性の原因となったりする場合もあります。
快適な睡眠には「寝床内気象」を整えることが必要。「寝床内気象」とは、人と寝具との間にできる空間の温度・湿度のこと
理想的な寝床内気象の条件は、温度が「33 ± 1℃」、湿度が「50 ± 5%(RH)」
寝具選びに大切なポイントは、「保温性」、「吸湿性・放湿性」、「軽さ」
2. 冬におすすめの掛け布団
2-1 羽毛布団は冬にぴったり!
冬の掛け布団には、羽毛布団がおすすめです。
保温性・吸湿性・放湿性に優れ、軽いという睡眠にうってつけの布団といえるでしょう。
寝床内気象を調節する
羽毛布団の1番の特長は、保温性の高さにあります。
寒い日でも羽毛布団1枚で事足りることが多いほどです。
また、羽毛布団は吸湿性・放湿性にも優れており、寝床内が蒸れることもほとんどありません。
さらに、羽毛布団は外気温に応じて寝床内の温度を調節してくれます。つまり寒いときは温かく、暑いときは涼しくしてくれます。
軽量
羽毛布団は空気を取り込むことで暖かくなるので、羽根の種類や比率にもよりますが全体的にふんわりと軽いという特長もあります。
元々の保温性の高さで、上に毛布等を重ねる必要も少ないということも相まって、重量感を感じずに心地よく眠ることができます。
冬の掛け布団のおすすめは羽毛布団。保温性が高く、吸湿性・放湿性にも優れており、軽量
3. 毛布の選び方
毛布には掛け毛布、敷き毛布、電気毛布等種類があります。用途に合わせて選びましょう。
3-1 素材に注目する
綿毛布
綿毛布は保温性、吸湿性、放湿性のバランスが良く、一年中使えるというのが特長です。
また、天然繊維のため肌が弱い方やアレルギーをお持ちの方にもおすすめです。
ただ、万能とはいえ冬においては同じ天然繊維の毛布のウール等と比べると保温性に欠け、特に気温が低い日だと寒く感じることも多いという点がデメリットとして挙げられます。
また、厚手のものだと重さを感じてしまうこともあります。
冬においては他の寝具との組み合わせが重要になる素材といえます。
合成繊維毛布(アクリル、ポリエステル等)
合成繊維の毛布は軽く、保温性が高いことが特長で、手触りも心地よいものが多いです。
ただし、天然素材のものと比べると吸湿性・放湿性が低いという睡眠におけるデメリットがあります。
布団の下に敷いて体に直接掛けていると、寝始めは暖かくても、次第に寝汗による湿気がたまって寝心地が悪くなる恐れがあるので、夜の就寝時の使用には注意が必要です。
一方、羽毛布団の上に掛けると羽毛布団の保温性をさらに高めてくれるので、羽毛布団1枚だと寒いという方は上に重ねるのがおすすめです。
布団・毛布を重ねる順番については後述します。
獣毛毛布(ウール、カシミヤ等)
ウール、カシミヤといった獣毛毛布は保温性が高く、吸湿性や放湿性にも優れています。
内側が蒸れずに心地よく使用できるので、布団の下、体に直接掛ける毛布としておすすめです。
素材によってはチクチクとした肌触りのものもあるので、好みで選ぶと良いでしょう。
寝具は特別なこだわりがなければ、素材で選ぶようにしましょう。
素材によってそれぞれ特長は変わります。
睡眠の質を上げるという視点から、以下の素材の特長をまとめました。
下の表は、素材ごとの機能を比較したものになります。
ただ、実際に売られている毛布は複数の素材を混合したものであったり、素材がもつデメリットを失くすように改良されているものも多いので、あくまで目安としてご参考ください。
表:素材の機能の比較
毛布の素材 | 保温性 | 吸湿性 | 放湿性 | 軽さ |
---|---|---|---|---|
綿 | ◯ | ◎ | ◯ | ◯ |
アクリル | ◎ | △ | △ | ◯ |
ポリエステル | ◎ | △ | △ | ◎ |
ウール | ◎ | ◎ | ◎ | ◯ |
カシミヤ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
毛布を選ぶ際は素材に注目する。
綿毛布は保温性、吸湿性、放湿性のバランスが良く一年中使えるが、他の毛布より保温性に欠ける
合成繊維毛布は軽量で保温性が高いが、吸湿性・放湿性が低い
獣毛毛布は保温性・吸湿性・放湿性に優れている。肌触りは好みによる
4. 寝具の快眠効果を高めるコツ
良い寝具を使っていても、誤った使い方をしていると効果が半減してしまう恐れがあるので注意しましょう。
快眠効果を高める方法をご紹介します。
4-1 寝具を重ねる順番
寝具は重ねる順番によって寝床内の暖かさも大きく変わります。
気温に合わせて組み合わせを考えましょう。
綿、合成繊維の布団の場合
基本的には、保温性が高いものから順番に重ねていくのが良いです。
綿や合成繊維の布団の場合は、毛布を掛け布団の下にするのが効果的です。
つまり、敷き布団 - 体 - 毛布 - 掛け布団の順番になります。
保温性が高い毛布を肌に密着させるのが良いですが、上記したように毛布の素材によっては布団内の湿度が高くなってしまうこともあるので注意しましょう。
羽毛布団の場合
羽毛布団の場合は、上の画像のように敷き布団 - 体 - 掛け布団 - 毛布の順番が良いです。
羽毛布団は人の体温が伝わることで保温性を発揮します。
毛布の上に重ねると体温が伝わりづらく、効果を生かしきれません。
毛布の種類は、保温性が高く、軽いものが良いです。
羽毛布団は体温を感知すると膨み、空気をより取り込むことで保温性を発揮しますが、毛布が重いと羽毛布団の膨らみを妨げてしまうので、羽毛布団の保温効果が半減してしまいます。
敷き布団の上に毛布を重ねるとさらに暖かくなる
毛布の重ね方には掛け布団の上か、下かだけではなく、敷き布団の上という方法もあります。
つまり、敷き布団 - 毛布 - 体 - 掛け布団という順番です。
意外と思うかもしれませんが、この順番の重ね方が最も寝床の中が暖かくなるといわれています。
体の熱は上部だけではなく、下部からも逃げていきます。その熱を上手く閉じ込めることで暖かくなるのです。
ただ、毛布の素材によっては寝床内が蒸れたり、暖かくなりすぎて逆に寝苦しくなるということもあるので注意です。
おすすめの素材は、綿やウール等の吸湿性・放湿性に優れた天然繊維のものになります。
4-2 布団の中を温めておく
寝る準備をして、いざ就寝という時に布団に入るとひやっと冷たくて目が覚めてしまった、という経験はありませんか?
寝床内の温度が低いと体温調節が上手くいかない、交感神経が刺激されて目が覚める等、睡眠を妨げてしまいます。
そこで、就寝前にあらかじめ布団の中を電気毛布や湯たんぽで温めておくと良いでしょう。※2
布団乾燥機も布団を温めるのにおすすめです。
注意点は、温めるのは寝入りの時までということです。
いつまでも温めておくと自然な体温調節ができなくなるので睡眠の質が悪くなります。
湯たんぽ等は就寝時は布団の中から出し、電気毛布はスイッチを切るか切タイマーをセットしておくようにしましょう。
布団を重ねる順番は、綿・合成繊維布団の場合は敷き布団 - 体 - 毛布 - 掛け布団が良い
羽毛布団の場合は敷き布団 - 体 - 掛け布団- 毛布が良い
敷き布団 - 毛布 - 体 - 掛け布団の順番が、最も寝床内が暖かくなる。ただし、毛布の素材に注意する
5. まとめ
冬におすすめの掛け布団、毛布の選び方をご紹介しました。
寝具の枚数が多くなりがちな冬は布団や毛布の素材の組み合わせが重要になります。
また、寝具の重ね方でも暖かさが変わってくるので、色々な組み合わせを試してみましょう。
人によって最適な寝具、その組み合わせは異なります。
好みも関わってくるので、寝具を選ぶ際は実際に自分で見たり触ったりして選ぶと良いでしょう。
時間がある方は、一度寝具をじっくりと選んでみてはいかがでしょうか?
冬でも暖かく、快適な睡眠を目指しましょう!
※1 日本睡眠研究所 "02 寝室環境・寝床内の研究" https://www.google.com/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=&cad=rja&uact=8&ved=2ahUKEwiQyrzI8a_uAhUSL6YKHdeMCCwQFjAAegQIBBAC&url=https%3A%2F%2Fwww.nishikawa1566.com%2Fcompany%2Flaboratory%2Fresearch%2Fkankyo%2F&usg=AOvVaw3bX10MhAD_uiifmgIDuoe2 2021年1月22日アクセス
※2 厚生労働省 "快眠のためのテクニック -よく眠るために必要な寝具の条件と寝相・寝返りとの関係"
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-01-003.html 2020年1月22日アクセス