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レム睡眠とノンレム睡眠とは?それぞれの特徴と違いについて詳しく解説!

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人の眠りには「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」の2つがあることは広く知られていますが、単に「浅い睡眠と深い睡眠」というイメージを持っている方が多いのではないでしょうか。
しかし、実際には一概にいうことはできず、レム睡眠とノンレム睡眠にはそれぞれ重要な役割があり、睡眠においてはどちらも必要な眠りです。

この記事では、レム睡眠とノンレム睡眠の特徴と、2つの睡眠に対する誤解についてご紹介します。

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1. レム睡眠とノンレム睡眠

1-1 一般的な睡眠リズム

人の眠りには、「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」の2つの眠りがあります。

眠りにつくと、初めにノンレム睡眠が現れ、眠りが時間とともに段々と深くなり、深いノンレム睡眠状態がしばらく続きます。
その後、眠りが浅くなっていき、1回目のレム睡眠へと移行します。入眠後から最初のレム睡眠がやってくる時間はおよそ90分といわれています
このレム睡眠とノンレム睡眠が交代で現れるという、およそ90分の睡眠サイクルが起床するまでに何度か繰り返され、
サイクルが繰り返されるごとにノンレム睡眠の間隔が短く、反対にレム睡眠の間隔が長くなっていくのが一般的な睡眠リズムといわれています。
一般的な人の睡眠時間である6〜8時間の睡眠では、4~5回の睡眠サイクルが起きていることになります。

1-2 睡眠サイクルについて

レム睡眠とノンレム睡眠が交代で現れる睡眠サイクルにかかる時間は一般的におよそ90分とお伝えしましたが、この90分というのはあくまで平均だということに注意する必要があります。

実際の睡眠サイクルの時間は体質的な要因や年齢、生活習慣による個人差が大きいので、およそ70〜120分くらいの振り幅があるとされています※1。
例えば、睡眠不足状態の人が睡眠をとる場合は最初のノンレム睡眠が長くなる場合があります。

また、睡眠サイクルは、一晩でも最初の睡眠サイクルは90分、次は70分、その次は100分といったように一定ではないこともあります

90分という時間は一応の目安にはなりますが絶対ではないので、固定的に考えないようにしましょう。

ポイント
  • 人が眠りにつくと最初に現れるのがノンレム睡眠で、およそ90分後にレム睡眠がやってくる。

  • 2つの睡眠が交代で現れる睡眠サイクルが繰り返されるごとにノンレム睡眠の間隔が短く、レム睡眠の間隔が長くなっていくのが一般的な睡眠リズムである。

  • 睡眠サイクルにかかる90分という時間は平均で、個人差が大きく、実際には70〜120分くらいの振り幅がある。

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2. レム睡眠について

2-1 レム睡眠の特徴

レム睡眠は、レム睡眠中に瞼の裏で左右に眼球が動く「急速眼球運動(Rapid Eye Movement)」を行うことから「REM(レム)」という頭文字をとってレム睡眠と呼ばれています。

レム睡眠中は、脳波が、起床時や浅いノンレム睡眠時の脳波の動きと似ているために浅い睡眠といわれています
しかし、一見浅い睡眠のように見えますが、レム睡眠中は外部からの刺激を遮断する機能が働いているため、ちょっとした物音で簡単に目が覚めるということはありません

一方、身体は全身の筋肉が弛緩して休んでいるような状態で、力が入らず、動きがなくなります。
そのためレム睡眠は「身体を休めるための睡眠」と考えられています
なお、全身に力が入らない状態の時に何らかの要因で脳だけ完全に覚醒し目が覚めてしまうと、身体を動かしていないのに脳が起きているという、いわゆる金縛りになることがあります。

また、レム睡眠中は呼吸や心拍数、血圧などの身体機能が不規則に変化することも特徴の一つです。

2-2 レム睡眠の役割

レム睡眠には、考えをまとめたり、記憶を整理し、定着させたりする重要な役割があると考えられています。
この役割において扱う「記憶」とは、知識に関するものだけではなく、スポーツのテクニックや楽器の演奏、作業等の技能に関する記憶も含まれます。

また、感情の処理に関わる脳の一部である扁桃体がレム睡眠中に活性化することから、レム睡眠中に感情やそれにまつわる記憶の処理を行なっているとされています。
レム睡眠は明晰な夢を見ることも知られていますが、記憶や感情の処理といった脳の強い活動の過程が脳内イメージとして現れるからだと考えられています。

他にも、乳幼児の睡眠にはレム睡眠の割合が大きいということから、レム睡眠が大脳を構築する役割を持つともされています。
乳幼児はレム睡眠の割合がおよそ50%ほどといわれていますが、脳の発達段階でレム睡眠が減少し、13歳位で大人と同程度にノンレム睡眠が増えます。

ポイント
  • レム睡眠は、脳は覚醒状態に近いが、身体は休んでいる眠り。

  • レム睡眠には記憶や感情の整理、大脳の構築といった役割がある。

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3. ノンレム睡眠について

3-1 ノンレム睡眠の特徴

ノンレム睡眠は、身体も脳も休んでいる状態の眠りです。
レム睡眠時に見られる急速眼球運動がないので、「Non Rapid Eye Movent(= NREM)」から、ノンレム睡眠と呼ばれています。
ノンレム睡眠時には心拍数や呼吸がゆっくりになります。

身体は休んでいる状態ですが、レム睡眠時のように全身の筋肉が弛緩しているというわけではなく、ある程度緊張を保っており、寝返りをうつのもノンレム睡眠時とされています。

3-2 ノンレム睡眠の段階

ノンレム睡眠は、眠りの深さによって4つの段階(浅い → 深い)に分けられます(上図参照)。
よって、一概に深い睡眠といえるわけではありません。
基本的に睡眠の浅い・深いは、このノンレム睡眠の段階によって決まります。
なお、研究者によっては睡眠の段階は3つや6つと定義されている場合があります。

それぞれの特徴を以下にご紹介します。

段階1

椅子に座りながら姿勢を保つことができ、少しの物音や刺激ですぐに目が覚める程度の非常に浅い睡眠です。
落下するような感覚で身体がビクッとする現象(ジャーキング)はこの段階で起こります。

段階2

椅子に座っていると頭がカクンっと頷き、姿勢を保てなくなるが、呼びかけ等、耳から入る情報に反応できる程度の浅い睡眠です。
身体が深い眠りの準備を始め、身体が弛緩し、体温が下がりはじめ、心拍数もゆっくりになります。

段階3、4

「徐波睡眠」とも呼ばれ、身体も脳も休んでいる状態です。この段階がいわゆる深い睡眠です。多少の物音や刺激では目覚めることはありません。
なお、この段階で無理に起こされると、起きてもしばらく頭がぼーっとした状態が続く「睡眠慣性(睡眠惰性、寝ぼけ)」が起きます。

3-3 ノンレム睡眠の役割

ノンレム睡眠時には脳の機能が低下するとともに、体温を下げて脳の冷却を促すので脳が休まります
レム睡眠に対して、ノンレム睡眠は脳を休める眠りといえるでしょう。

また、深いノンレム睡眠(段階3、4)、特に最初にやってくる深いノンレム睡眠時には「成長ホルモン」が活発に分泌されます
成長ホルモンというと、子どもの成長に必要なものというイメージがあるかもしれませんが、子供だけでなく大人にも重要なもので、身体の組織、筋肉、骨の修復や、脂肪の分解、免疫力の向上といった健康を維持するための大切な役割を担っています。

このように、ノンレム睡眠がもつ大きな役割には脳の休息と成長ホルモンの分泌があります。
特に入眠後のおよそ90分の深いノンレム睡眠が重要で、このノンレム睡眠をより深くすることができれば、脳がしっかり休まるとともに、健康な身体をつくることができます。

ポイント
  • ノンレム睡眠は、脳も身体も休んでいる状態の眠り。

  • ノンレム睡眠は眠りの深さによって4段階に分けられる。1、2段階が浅い睡眠で、3、4段階が深い睡眠である。

  • ノンレム睡眠には脳の休息と、細胞の修復を担う「成長ホルモン」の分泌という役割がある。

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4. 2つの睡眠に対する誤解

4-1 「浅い睡眠がレム睡眠、深い睡眠がノンレム睡眠」というわけではない

2つの眠りに対するよくある認識として、「レム睡眠は浅い睡眠、ノンレム睡眠は深い睡眠」と、レム睡眠が深くなったのがノンレム睡眠だという認識がありますが、これは誤解です

上述したように、ノンレム睡眠の中に眠りの深さの段階があり、いわゆる眠りが浅いか深いかについてはその段階によって決められます。
また、レム睡眠は外部の刺激を遮断している状態なので、一概に浅い睡眠とはいえません。

あくまでレム睡眠とノンレム睡眠はそれぞれ独立した眠りであると考えるようにしましょう。
そこで、眠りの種類は「深い(ノンレム)睡眠」、「浅い(ノンレム)睡眠」、「レム睡眠」の3つだと考えると覚えやすいかもしれません。

4-2 「レム睡眠は必要ない」という誤解

もう一つの誤解として、「レム睡眠は必要ない」という認識があります。
これは「レム睡眠は浅い睡眠」という認識から、深いノンレム睡眠のみを重要視しているからだと考えられますが、レム睡眠も必要な睡眠です。

レム睡眠不足と認知症の関係を示す研究

レム睡眠と認知症のリスクの関係について、2021年8月17日に国際学術誌「Cell Reports」に掲載された、筑波大学の研究者林悠教授らが行なった研究があります※2。

人は睡眠中に、毛細血管を介して脳に酸素や栄養を送り届け、代わりに二酸化炭素や老廃物を取り除くという交換作業を行なっており、この交換作業は脳の機能維持に重要です。

この研究で、睡眠中のマウスの脳における毛細血管中の赤血球の流れを観察したところ、レム睡眠中に大脳皮質の毛細血管へと流入する赤血球の数が、活動時や深いノンレム睡眠時と比べて大幅に上昇することが分かりました。
つまり、レム睡眠中は大脳皮質で活発な交換作業が行われ、脳がリフレッシュされていると考えられます

このことから、レム睡眠が不足すると交換作業が滞り、脳の老廃物が溜まることで認知症やアルツハイマー病のリスクが高まる可能性が示されました。

レム睡眠不足と寿命の関係を示す研究

レム睡眠と寿命の関係にまつわる研究もあります。

米スタンフォード大学の研究者Eileen Leary氏らの研究により※3、レム睡眠の時間が短すぎると寿命が短縮する可能性があることが分かっています。

研究によると、平均年齢76歳の2675人の男性を約12年間(中央値)にわたって追跡調査し、レム睡眠の長さと脂肪リスクの関連について調べたところ、
レム睡眠の割合が5%減少するごとに、あらゆる原因による死亡のリスクは13%上昇することが分かりました

この研究において、レム睡眠と死亡リスクに関する直接的な原因は解明されていませんが、レム睡眠とノンレム睡眠の睡眠時間のバランスをとることが重要という可能性が示されています。

レム睡眠とノンレム睡眠どちらも大切

レム睡眠とノンレム睡眠はそれぞれ役割があるので、心身ともに健康であるためにはどちらの睡眠も大切です。

深いノンレム睡眠は睡眠の前半部分に現れますが、その前半の睡眠だけとればいいといったような誤った認識を持たないようにしましょう。

そして、レム睡眠とノンレム睡眠をバランスよくとるには、睡眠の質を上げて前半のノンレム睡眠をより深くすることと、十分な睡眠時間をとって睡眠後半に多く現れるレム睡眠を確保することを意識することが大切です。

睡眠の質を上げる方法については、以下の関連記事を参考にしてみてください。

ポイント
  • レム睡眠とノンレム睡眠は一概に浅い睡眠、深い睡眠ということはできず、それぞれ独立した眠りである。

  • レム睡眠が認知症や寿命の減少のリスクを高める可能性を示す研究もあるので、深いノンレム睡眠のみを意識しないようにする。。

  • 2つの睡眠にはそれぞれ役割があるので、どちらの睡眠も意識することが大切。

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5. まとめ

レム睡眠とノンレム睡眠のそれぞれの特徴についてご紹介しました。

一般的に「浅い眠りがレム睡眠、深い眠りがノンレム睡眠」といわれることが多いですが、それは誤った認識です。
レム睡眠とノンレム睡眠はあくまでそれぞれ独立した眠りとして考えましょう。

そして、2つの眠りはそれぞれ大切な役割を持っています。
最初の深いノンレム睡眠と、睡眠後半に増える「レム睡眠」を意識して、十分な睡眠時間を確保するようにしましょう。

参考文献

※図 Walker MP, Stickgold R. Sleep-dependent learning and memory consolidation. Neuron. 44:121-33, 2004

※1-1 Sleep Styles "レム睡眠・ノンレム睡眠とは?周期や脳波から知る適切な睡眠時間" https://sleepstyles.jp/report/ss-986/ 2022年2月18日アクセス

※1-2 National Sleep Foundation "Stages of Sleep" https://www.sleepfoundation.org/stages-of-sleep 2022年2月18日アクセス

※2 Chia-Jung Tsai, Takeshi Nagata, Chih-Yao Liu, Takaya Suganuma, Takeshi Kanda, Takehiro Miyazaki, Kai Liu, Tsuyoshi Saitoh, Hiroshi Nagase, Michael Lazarus, Kaspar E. Vogt, Masashi Yanagisawa, Yu Hayashi. Cerebral capillary blood flow upsurge during REM sleep is mediated by A2a receptors. Cell Reports, 36(7):109558, 2021

※3 Eileen B Leary, Kathleen T Watson, Sonia Ancoli-Israel, Susan Redline, Kristine Yaffe, Laurel A Ravelo, Paul E Peppard, James Zou, Steven N Goodman, Emmanuel Mignot, Katie L Stone. Association of Rapid Eye Movement Sleep With Mortality in Middle-aged and Older Adults. JAMA Neurol 77:1241, 2020

National Sleep Foundation "What is REM Sleep and How Much Do You Need?" https://www.sleepfoundation.org/stages-of-sleep/rem-sleep 2022年2月18日アクセス

National Sleep Foundation "What is NREM Sleep?" https://www.sleepfoundation.org/stages-of-sleep/nrem-sleep 2022年2月18日アクセス

厚生労働省 "眠りのメカニズム" https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-01-002.html 2022年2月18日アクセス

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この記事を書いた人
睡眠アプリSomnus
Somnusスリープラボ編集部
累計50万人以上の睡眠をサポートしているSomnus株式会社の専属ライターです。日本有数のSleepTech企業として培ってきた知見やデータをもとに、睡眠でお悩みの方はもちろん、皆様の睡眠を改善するための情報を発信しています。
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