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【寝る時の姿勢】仰向き・横向き・うつ伏せのメリットとデメリット

214 人の方が 「役に立った」と言っています

あなたは寝る時の姿勢を意識していますか?

寝る時の姿勢は身体の疲労回復や、睡眠の質に大きな影響を与えます。
寝る時の姿勢は大きく分けると「仰向け」、「横向き」、「うつ伏せ」の3つになりますが、それぞれにメリットとデメリットがあります。

この記事では寝る時の姿勢3タイプ別のメリットとデメリット、そして理想的な姿勢についてご紹介します。
自分の寝る時の姿勢を見直してみましょう!

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1. 寝姿勢の重要性

1-1 寝姿勢とは

文字通り寝ている間の姿勢を「寝姿勢」といいます。※1
寝る時の姿勢は特に気にしていない、という方も多いかもしれませんが、睡眠において姿勢は重要です。

睡眠の重要な役割の一つに、日中働かせた脳や体を休息させ、疲労を回復させる効果があります
寝姿勢が悪いと、身体の一部分に負荷がかかり、圧迫による血行不良や痛みの原因になってしまいます。
血行不良が生じると疲労の回復が遅れがちになるので、疲れがなかなか取れず、翌日以降も引きずってしまいます。また、痛みが生じると不快感による睡眠の質の低下を引き起こす恐れもあります。

寝姿勢を正しくすることで身体の局所的にかかる負担を和らげ、痛みや不調をもたらすことなく、疲れを効率的に取れるようになります

正しい寝姿勢の重要なポイントは、

寝心地が良く、ラクな状態を続けられること
寝返りをうちやすいこと

の2点です。

ただ、寝姿勢といっても様々な姿勢があります。
「仰向け」、「横向き」、「うつ伏せ」の大きな3つのタイプ別に分けてご紹介します。

図. 日本人の寝姿勢の割合(2009年)

上のグラフは、日本の企業が2009年に20代〜50代の男女を対象に行った、「ぐっすり眠れる姿勢は?」という質問に対する調査結果です※2。

<調査結果>
横向き:46%
あお向け:34%
うつ伏せ:18%
その他:2%​

結果を見るに、横向きの寝心地が良いと感じる方は多いようです。

ポイント
  • 寝姿勢が悪いと、疲労回復の遅れや睡眠の質の低下をもたらす

  • 寝姿勢の重要なポイントは、身体に寝心地が良いことと、寝返りがうちやすいこと

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2. 仰向けの姿勢

2-1 メリット

身体の歪みの防止、体圧の分散

仰向けの姿勢は身体が真っ直ぐの状態になります。
横向き・うつ伏せの姿勢のように体を捻ることがないので、他の姿勢よりも背骨が真っ直ぐ安定し、身体の歪みが生じにくくなります
このため、普段背中が丸まり気味な方には、ねこ背の防止や改善に役立ちます。

また、仰向けの姿勢は敷き寝具と接触する身体の面積が大きくなり、「体圧」という身体への圧力が均等に分散されるため、肩、腰といった部分的にかかる負荷が軽減され、リラックスしやすくなります。

血栓の防止・疲労回復促進

上述の通り、仰向けの姿勢だと体圧が均等に分散されるため、血流が圧迫されずスムーズになり、血栓ができにくくなるほか、むくみの防止にもなります。
また、血液の巡りが良くなるので身体の疲労回復が促進され、疲れがとれやすくなります

2-2 デメリット

いびきをかきやすくなる

仰向けで顔を上に向けると、重力により舌の根本が下がりやすくなるので、空気が通る気道を狭くしてしまい、呼吸がしにくくなる、いびきをかきやすくなるといった可能性があります。
そのため、普段いびきをかく方や、寝ている時に一時的に呼吸が止まってしまう「睡眠時無呼吸症候群」の方にはおすすめできません。

腰痛

本来仰向けは腰に負担がかかりにくい姿勢ですが、個人によっては腰を痛める恐れがあります。

仰向けになった際、人の背面の形状には個人差があります
特に、腰が反り気味でお尻が突き出ている、いわゆる「反り腰」の方は、寝具と腰との隙間が大きくなり、腰を支える部分が減るので、腰への負担が大きくなります。
腰痛持ちの方や、ねこ背のひどい方は、場合によっては腰痛が悪化してしまう可能性もあります。

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3. 横向きの姿勢

3-1 メリット

いびきをかきにくい

横向きの姿勢は舌の根本が下がりにくく、気道をふさぐことがないので呼吸がしやすくなり、いびきもかきにくくなります
いびきをかきやすい方や「睡眠時無呼吸症候群」の方のほか、肥満や扁桃腺の肥大等により気道が狭くなっている方にもおすすめです。

腰痛持ちの方、妊婦の方に良い効果も

横向きは腰の角度を自分で自由に調整でき、楽な姿勢をとりやすいので、仰向けだと辛くなるという腰痛持ちの方に良い場合があります。

また、妊婦の方は、横向きの姿勢はお腹の重さが身体を圧迫することなく、体勢も安定して熟睡しやすくなります
妊婦の方におすすめの横向きの姿勢に「シムズ位」というものがあります。シムズ位とは、体の左側を下にして横になり、上側の足を曲げて前に出し、膝を床につけているという姿勢をいいます。シムズ位はリラックスしやすく、低血圧の予防にもなるといわれています。

3-2 デメリット

身体への負荷が大きく、痛みや歪みの原因に

横向きは、仰向けやうつ伏せの姿勢と比べて床と接触する身体の面積が小さいので、体圧による身体への負荷が大きくなります
この状態が長時間続くと、特に負荷がかかりやすい肩や腰といった出っ張りの部分の痛みの原因や、血流が圧迫されることによってコリの原因にもなり、腕や手を枕の下や身体の下に入れたままでいると痺れが生じる場合もあります。

また、横向きは身体を捻るような状態となります。
この時、右か左のどちらか一方への負荷が大きい状態が続くと、身体の歪みを生じさせたり、枕の硬さ・高さよっては首の痛みや歪みを引き起こしたりする恐れがあります。
寝返りを適切にうつことで一方的な負荷を軽減できますが、狭い場所や筋力不足等、寝返りをうちにくいような状態の場合、負荷のかかりやすい横向きの姿勢は特に影響が大きいので注意です。

3-3 右向きと左向き、どっちが良い?

右向き(体の右側を下)と左向き(体の左側を下)の場合、どちらで寝るのが良いのかというテーマにおいては諸説ありますが、どちらにおいてもメリットは存在すると考えられています。

右向きの場合、心臓や胃が上の位置、重量のある肝臓が下の位置になるので、心臓や消化器官が圧迫されず、かかる負担が少ないといわれています。
そして左向きの場合は、リンパが集中している左側を下にすることでリンパ液の流れが良くなることによる身体の老廃物の排出を促す効果と、胃の形の関係で逆流性食道炎の防止効果があるといわれています。

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4. うつ伏せの姿勢

4-1 メリット

呼吸しやすく、腹式呼吸になりやすい

うつ伏せの姿勢も横向きと同様に下根が下がりにくいので気道が確保され、呼吸しやすい状態になり、いびきの改善に効果があります。
また、うつ伏せの状態は胸が圧迫されることで、横隔膜が下がって「腹式呼吸」がしやすい状態になります。

私たちが普段何気なく行っている、息を吸ったときに胸がふくらむ呼吸を「胸式呼吸」といい、一方、眠っているときに自然に行っている呼吸で、息を吸うとお腹が膨らみ、胸はあまり動かない呼吸を「腹式呼吸」といいます。
腹式呼吸は胸式呼吸よりも空気をより多く取り込みやすく、副交感神経を優位にして自律神経を整える効果があります

気道が確保され、腹式呼吸により酸素をより多く取り込むことができるので、血行も良くなり、疲労回復も促されます。

4-2 デメリット

胸式呼吸の息苦しさ

就寝前に筋力トレーニング等の激しい運動をしたり、パソコンやスマートフォンを使用したりすると、交感神経が優位になってしまいます。
うつ伏せは腹式呼吸がしやすくなりますが、交感神経が高まった状態では、なかなか腹式呼吸に切り替わらず、眠りに入っても日中のように胸式呼吸を続けてしまいます。そうすると胸が圧迫されているので呼吸が苦しくなり、眠りが浅くなるといった睡眠の質の低下を招きます。

窒息・嘔吐

うつ伏せ寝は普通顔を横にして寝るものですが、うつ伏せで寝ている時に枕に顔をうずめるような状態となって鼻や口が塞がれてしまうと、呼吸がしにくくなり、酸素不足に陥る可能性があります

特に、赤ちゃんや高齢の方のうつ伏せ寝には要注意です。
自力で寝返りをうつことが難しい乳幼児や高齢者は場合によっては窒息してしまう恐れがあります。また、乳幼児においてはうつ伏せ寝によって「乳幼児突然死症候群(SIDS)」による突然死のリスクが高まるとされています。厚生労働省も、生後1歳になるまでは仰向けで寝かせることを推奨しています※3。

また、何か食べた後、すぐにうつ伏せになると吐き気や嘔吐をもよおす可能性があります。

顔の輪郭の歪み、首・腰の痛み

うつ伏せ寝は首を横に向けて押さえつけられるような姿勢となるので、下に向けている顔やあご、首に体重がかかりやすくなります。
そのため顔の輪郭や歯並びに歪みが生じる恐れや、首の筋肉のコリや寝違えの原因になります。
また、うつ伏せ寝は腰を反らしがちになるので腰に負担がかかり、腰痛の原因にもなります。

圧迫による悪影響

うつ伏せ寝の姿勢は、胸や肋骨といった箇所に体重がかかります。
その圧迫感により抱っこされているような安心感を感じる効果もある一方、圧迫されて心臓に負担がかかりやすくなります。
高血圧の方や心臓病を患っている方には向きません

肌荒れ、乾燥肌

うつ伏せ寝は顔に体重がかかりやすいため枕と擦れやすく、ホコリや汚れが顔につくことによる肌荒れや、摩擦によって乾燥肌をもたらす可能性があります。

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5. 理想的な寝姿勢とは

5-1 理想的な寝姿勢は「仰向き」

寝具メーカー西川株式会社の社内研究機関「日本睡眠科学研究所」によると、理想的な寝姿勢とは、「まっすぐ立っている姿を、ほぼそのまま横にした姿。」としています。※4
人は、真っ直ぐ立っている時に背骨がなだらかなS字を描いていますが、横になっている状態でもこれに近い姿勢を保つことで、睡眠時に身体に掛かる負担を減らすことができるそうです。※1

つまり、体圧が均等に分散され、自然にリラックスしやすい「仰向き」が理想的な寝姿勢といえます。

また、「横向き」でも、背骨と床が真っ直ぐ平行になっている状態が良いとされ、頭・首・肩部分の負担が軽減されるといわれています。

5-2 理想的な寝姿勢を保つには?

寝る姿勢は寝具によって大きく影響を受けます。
理想的な寝姿勢を保つには、自分にフィットする寝具を使うことが大切になります。

敷き寝具

例えば仰向きの場合、柔らかすぎるとお尻等の重い部分が沈み込んで寝姿勢のバランスが悪くなってしまいます。
そして硬すぎるとお尻や肩といった突出した部分で体を支えることになるので、その分腰に荷重がかかり、腰痛の原因にもなってしまいます。

硬すぎず、柔らかすぎず、適度な硬さで、横になった時の自分のボディラインにフィットしやすいものを選ぶのが良いでしょう。

枕においても、柔らかすぎるものや、高さが低すぎる・高すぎるものだと背骨の自然なカーブを妨げ、背骨のバランスが悪くなってしまいます。
また、首や肩・胸の筋肉に負担がかかり、呼吸がしにくく、寝心地がわるくなります。

頭を支えてくれる弾性があり、自分の体型に合った高さの、安定感のあるものを使用するのが良いでしょう。
枕の高さについて、具体的には、仰向けになった場合に敷き寝具と首の角度が約5度になるのが理想的といわれています※5。
また、横向きになった場合に、枕に頭を乗せたときに頸椎が真っ直ぐになる高さが良いでしょう。

5-3 最初の寝姿勢にこだわりすぎない

理想的な寝姿勢は仰向けとお伝えしましたが、あまり寝る時の姿勢に深く囚われないことも大切です。
なぜなら、先にそれぞれのメリット・デメリットをご紹介したように、最適な寝姿勢は個人の体調や好み等によって異なり、全ての人に仰向けが適しているとはいえないからです。
例えば、腰痛持ちの方や無呼吸症候群の方にとっては横向きの方が良い場合があります。また、どうしても仰向け以外の姿勢じゃないと眠れないといった方は姿勢を矯正しようとしても寝心地が悪く、ストレスも溜まってしまい結果的に睡眠の質を悪くするかもしれません。

他に、就寝中は自分の寝姿勢をコントロールすることができないという理由も挙げられます。
最初の寝姿勢を意識しても、眠ってしまうと一晩中同じ姿勢を保ち続けることはほとんど不可能で、寝返り等の影響で姿勢は変化します。
身動きができないほどの窮屈なスペースでもない限り姿勢を意識的に保つことはできませんし、また、寝返りができず、ずっと同じ状態のままなのは身体に負担がかかります

理想的な寝姿勢を心がけるのは良いことですが、あまり無理はせず、自分の体調に合った姿勢で寝るのが良いでしょう。

5-4 寝返りも大切

上述しましたが、睡眠中に同じ寝姿勢を長時間続けるのは身体に負担がかかります。
同じ姿勢で長時間いると体圧が同じ部分にかかるようになるので、痛みの原因になったり、血流が悪くなったりするからです。これは、楽な姿勢をしていても同じです。

それを防ぐために、私たちが無意識に行なっているのが「寝返り」です。
大人は一晩に20〜40回寝返りをするといわれていますが、寝返りをすることで体圧が一箇所に集中することを防ぎ、身体にかかる負担が軽減されます。
また、寝返りには体温調節や背骨の歪みをリセットさせる効果もあるといわれており、良い睡眠に大きな役割を果たしています。

そのため寝姿勢には、寝返りをスムーズにうてることも重要なポイントになります。

ポイント
  • 理想的な寝姿勢は、「まっすぐ立っている姿を、ほぼそのまま横にした姿。」とされており、「仰向け」が理想的

  • 理想的な寝姿勢を保つには、自分の体に合った寝具を使用することが大切

  • 最適な寝姿勢は個人の好みや体調によって変化するので、あまり「理想的な寝姿勢」にとらわれる必要はない

  • 寝姿勢を保つことも大切だが、「寝返り」をスムーズにうてることも重要

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6. まとめ

寝姿勢それぞれのメリット・デメリット、理想的な寝姿勢についてご紹介しました。
寝姿勢において重要なポイントは、① 寝心地の良いこと、② 寝返りをうちやすいことの2つです。

寝る時の姿勢を意識することで、血行促進や疲労回復促進の効果を得たり、腰痛や肩こりの原因を解決したりできるかもしれません。
正しい寝姿勢を保つためにも、自分に合った寝具を選ぶことや、その寝室環境を整えることが大切です。

参考文献

※1 日本睡眠研究所 "「寝姿勢保持」と「体圧分散」" https://www.nishikawa1566.com/company/laboratory/topics/04/ 2021年6月28日アクセス

※2 株式会社ビー・オー・スタジオ "ぐっすり眠れる姿勢は【横向き45%】 " https://www.value-press.com/pressrelease/40292 2021年6月29日アクセス

※3 厚生労働省 "乳幼児突然死症候群(SIDS)について" https://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/sids.html 2021年6月28日アクセス

※4 日本睡眠研究所 "眠るための道具のこと/寝具にもとめられる性能(敷き寝具)" https://www.nishikawa1566.com/company/laboratory/topics/12/ 2021年6月28日アクセス

※5 厚生労働省 "快眠のためのテクニック -よく眠るために必要な寝具の条件と寝相・寝返りとの関係" https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-01-003.html 2021年6月28日アクセス

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この記事を書いた人
睡眠アプリSomnus
Somnusスリープラボ編集部
累計50万人以上の睡眠をサポートしているSomnus株式会社の専属ライターです。日本有数のSleepTech企業として培ってきた知見やデータをもとに、睡眠でお悩みの方はもちろん、皆様の睡眠を改善するための情報を発信しています。
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