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【睡眠改善が続かない人へ】三日坊主になる理由と、意志に頼らず続く3つの仕組み!

「朝日を浴びるといい、とは知っている」「でも、三日で終わった」——睡眠の改善法を一度でも調べたことがある方なら、知識はもう十分にお持ちのはずです。それでも眠りが変わらないとしたら、足りないのは知識ではなく、それを続けるための仕組みかもしれません。この記事では、睡眠改善が続かない理由を行動科学の観点から整理したうえで、意志の強さに頼らずに続けるための3つの仕組みをご紹介します。

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1. 睡眠改善が続かないのは「意志が弱いから」ではない

朝の光を浴びる、日中に体を動かす、カフェインを控える時間帯を決める。「何をすればいいか」を知らない人は、いまやほとんどいません。それでも多くの人が、数日で元の生活に戻ってしまいます。

このとき私たちはつい「自分は意志が弱い」と結論づけてしまいますが、続かない原因の大半は、意志ではなく設計の側にあります。

1-1 行動が習慣に変わるまでにかかる時間

ある行動が「考えなくてもやってしまう」状態に近づくまでには、思った以上の時間がかかります。日常行動の自動性を追跡した研究では、自動性がほぼ頭打ちになるまでの推定期間の中央値は66日で、18日から254日まで大きな個人差がありました(※1)。

習慣は、ある日を境に完成するものではなく、だんだん手がかからなくなっていく過程です。つまり、始めて1週間で続かなくなるのは失敗ではなく、習慣化の途中で燃料が切れただけ。考えるべきは「どうやって頑張り続けるか」ではなく、「頑張らなくても続く状態まで、どうやって橋を架けるか」です。

1-2 睡眠改善に特有の3つの難しさ

睡眠の習慣には、運動や食事の習慣と比べても、さらに続けにくい条件が揃っています。

① 手応えが、すぐには返ってこない
生活習慣を変えても、その効果が翌朝はっきり実感できるとは限りません。眠りは日によってばらつくため、変化があってもそのばらつきに埋もれてしまいます。行動は、手応えが遠いほど続きにくくなります。

② 頼れるのが自分の感覚だけ
「よく眠れた気がする」という感覚は、実際に眠っていた時間や中途覚醒の回数と、必ずしも一致しません。感覚だけを頼りにしていると、うまくいっているのかを判断できず、続ける理由も見つけにくくなります。

③ 夜は、行動を実行しにくくなりやすい時間帯
睡眠改善の行動は、その多くが夜に集中します。ところが夜は、日中の疲れが溜まり、「ようやく手に入れた自分の時間」を手放したくない気持ちが強くなりやすい時間帯でもあります。自分で決めた時刻に寝ることを先延ばししてしまう現象は「就寝先延ばし(bedtime procrastination)」と呼ばれ、研究の対象になっています(※2)。

続けるための工夫は、「夜、頑張る」以外の場所に置く必要があります。

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2. 【仕組み①】きっかけを、すでにある習慣に結びつける

2-1 「いつ・どこで・何をするか」まで決める

「早く寝るようにする」「朝、光を浴びる」——この程度の決め方では、行動はまず起きません。実行の確率を上げるのは、条件と行動をセットにした具体的な計画です。

「もしXという状況になったら、Yをする」という形で決めておく方法は、心理学では実行意図(implementation intention)と呼ばれます。94件の研究をまとめた分析では、目標を立てるだけの場合と比べて、中程度から大きい効果で行動の実行率が上がることが報告されています(※3)。

具体的には、こう書き換えます。

  • 「朝、光を浴びる」→「起きて洗面所に行く前に、寝室のカーテンを開ける」
  • 「夕方以降はカフェインを控える」→「昼食後のコーヒーを、その日の最後の1杯にする」
  • 「寝る前にスマホを見ない」→「歯を磨き終わったら、Somnusの睡眠計測を開始し、そのあとはSNSや動画アプリを開かない」

ポイントは、判断の余地をなくすことです。夜に「今日はどうしようか」と考えた時点で、たいてい負けています。

2-2 新しい習慣は、すでにある行動の後ろにつなぐ

習慣は、その場の状況が引き金となって自動的に立ち上がることが知られています(※4)。裏を返せば、新しい行動に「毎日確実に訪れる引き金」を用意できれば、思い出す努力そのものが要らなくなります。

いちばん手軽な引き金は、すでに毎日やっている行動です。歯磨き、洗面、風呂上がり。こうした確実な行動の直後に新しい行動をつなぐと、「やろうと思い出す」工程を省略できます。意志で思い出すのをやめて、状況に思い出させる。これが仕組み①です。

💡 ポイント|すでにある習慣を、新しい行動の合図にする。

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3. 【仕組み②】眠りの結果を、見えるようにする

3-1 記録は、ふり返りとセットで効く

1-2で挙げた難しさのうち、②の「頼れるのが自分の感覚だけ」は、記録によって埋めることができます。

食事や運動に関する健康行動の介入研究をまとめた分析では、セルフモニタリング(自分の行動や結果を記録すること)を、ほかの自己調整の手法と組み合わせた介入が、そうでない介入より効果的だったことが報告されています(※5)。つまり記録は、それ単独で効く魔法ではなく、目標を決めることや、あとでふり返ることと組み合わせてはじめて行動を支える手段になります。この記事の最後に週1回のふり返りを置いているのは、そのためです。

睡眠計測アプリSomnusは、スマートフォンやApple Watchで、就床・起床時刻、睡眠時間、眠りの深さ、中途覚醒を自動で記録します。記録のための努力がほぼゼロで済むことは、続けるうえで見過ごせない条件です。

3-2 見るべき指標は4つだけ

ただし、記録が増えるほど、どこを見ればいいのか分からなくなります。最初のうちは、次の4つに絞って構いません。

  • 就床・起床時刻のブレ … 毎日どのくらいばらついているか
  • 平日と休日の差 … 寝る時刻・起きる時刻が休日にどれだけずれるか
  • 中途覚醒 … 夜中に目覚めた回数と、その時間帯
  • 朝の睡眠休養感 … 「睡眠で休養がとれた」と感じられたかどうか

4つ目を入れているのには理由があります。厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」は、成人について、睡眠時間の確保と並べて睡眠休養感を高めることを挙げています(※6)。客観的な数値さえ見ていればよい、という話ではありません。記録した数値と、朝に感じた休養感を並べて見ることに意味があります。


平日と休日のズレも見ておく価値があります。休日に大幅に遅く起きると、平日と休日とで睡眠の時間帯がずれます。このずれは「社会的時差ぼけ(social jetlag)」と呼ばれ、生活習慣との関連が調べられています(※7)。また、休日に長く眠らないと回復できない状態は、平日の睡眠が足りていないサインでもあります(※6)。

3-3 数値は「診断」ではない

ここは必ず押さえておいてください。市販の睡眠計測アプリやウェアラブル端末が示す数値は、生活のリズムや変化の傾向をつかむためのものであり、医学的な診断の代替となるものではありません

スコアの低い日が続いても、それが病気を示しているわけではありません。逆に、日中の強い眠気が続く、大きないびきや睡眠中の呼吸の乱れを指摘された、といった場合は、数値がどうであれ医療機関にご相談ください。

💡 ポイント|記録は、ふり返りとセットで使う。数値は診断ではない。

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4. 【仕組み③】効果が出るまでの空白を、短期の報酬で埋める

4-1 いちばん脱落しやすいのは、始めてすぐの時期

習慣が手間なくこなせるようになるまでにも、睡眠の変化を実感できるようになるまでにも、時間がかかります。この「始めたけれど、まだ手応えがない」期間こそが、いちばん脱落しやすい区間です。行動は続けているのに、続ける理由がまだ手に入っていない状態だからです。

ここを乗り切るには、効果を実感できるまでのあいだ、別の形で「続けた事実」が残るようにしておくと有効です。

4-2 「続けた分が残る」仕組みを使う

ひとつは、Somnusのなかにあります。Somnusでは、睡眠計測を行うことでポイントが貯まります。ポイントは、睡眠時間や眠りの深さなどから多角的に算出されるスコアに基づいて計算され、1ポイント=1円相当として、当社が厳選した快眠グッズショップ「Somnus Mall」でのお買い物に使えます。眠りが変わったと実感できるより先に、「続けている」という事実のほうが形になります。

もうひとつ、アプリの外側に置く方法もあります。「ピアコネ」は、LINE公式アカウントを窓口に、運動・食事・睡眠などのサービスをポイントプログラムを通じて利用できるようにするウェルビーイング実現応援サービスで、Somnusもその提携サービスのひとつです。毎日開くLINEからそのままSomnusを開けるため、「思い出す」工程がさらに減ります

仕組み①が「思い出さなくてもいい状態」をつくり、仕組み②が「変化を見えるようにする」なら、仕組み③の役割は「効果が出るまでの時間を稼ぐ」ことです。

ピアコネ

4-3 ただし、報酬は「補助輪」であって目的ではない

ここで、正直に書いておかなければならないことがあります。

外から与えられる報酬は万能ではありません。もともと自分からやりたいと思っていた行動に対して、報酬を目的として与えると、かえって自発的な意欲が下がる場合があることが、多数の実験をまとめた分析で報告されています(※8)。アンダーマイニング効果と呼ばれる現象です。

つまり、「ポイントのために計測する」状態が最終形になってしまうと、ポイントが止まった時点で計測も止まります。報酬は自転車の補助輪と同じで、漕ぎ出しの不安定な時期を支えるためのものです。

目指すのは、「記録を見るのが面白くなった」「寝る時刻を守ったほうが翌日が楽だと分かった」という状態。そこに届くまでの数週間を、外側の仕組みで支える。それが現実的な使い方です。

💡 ポイント|報酬は、習慣が育つまでの補助輪として使う。

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5. 週に1回、3分のふり返り

仕組みを3つ用意しても、見直す時間がなければ記録は溜まっていくだけです。週1回・3分で終わるふり返りの型をご紹介します。大事なのは毎週同じタイミングに固定すること(たとえば土曜の朝)。仕組み①と同じで、曜日と時間を決めてしまえば、思い出す努力が要らなくなります。

見るのは、次の3つだけです。

① 就床・起床時刻のブレを見る
1週間分の就床・起床時刻を並べ、ばらつきが先週より小さくなっているかだけを見ます。何時何分に揃えるべきという基準はありません。先週の自分との比較で十分です。

② 寝つきが悪かった日の行動をふり返る
寝つきに時間がかかった日を1日だけ選び、その日の行動を思い出します。夕食が遅かった、午後にコーヒーを飲んだ、ほとんど歩かなかった。原因をすべて特定する必要はありません。思い当たるものを1つ見つければ十分です。

③ よく眠れた日の共通点を探す
よく眠れたと感じた日を1〜2日選び、その日の行動をふり返ります。1〜2日を眺めただけで何が効いたのかまでは分かりませんが、うまくいった日の共通点は、来週に再現してみる候補になります。

そして最後に、来週試すことを1つだけ決めます。複数を同時に変えると、結果が変わったときに何が効いたのか分からなくなるからです。1つずつ変えて、1週間ごとに確かめる。遠回りに見えて、これがいちばん速い方法です。

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6. まとめ

睡眠改善が続かないのは、意志が弱いからではありません。習慣が身につくまでに時間がかかり、そのあいだを支える仕組みがないからです。

  • 【仕組み①】きっかけを設計する … 「いつ・どこで・何をするか」まで決め、すでにある習慣の後ろにつなぐ
  • 【仕組み②】結果を見えるようにする … 記録をふり返りとセットで使う。ただし数値は診断ではない
  • 【仕組み③】空白の時期を埋める … 続けた分が残る仕組みを補助輪として使い、実感が生まれるまでの時間を稼ぐ

そして週に1回、3分だけふり返り、来週試すことを1つ決める。変えるべきなのは、行動そのものよりも行動が起きる条件です。

今夜からできることは、たったひとつで構いません。歯を磨いたら、Somnusの計測を始める。それだけ決めて、あとは記録に任せてみてください。

参考文献

※1 Lally, P., van Jaarsveld, C. H. M., Potts, H. W. W., & Wardle, J. "How are habits formed: Modelling habit formation in the real world." European Journal of Social Psychology, 40(6), 998–1009 (2010)

※2 Kroese, F. M., De Ridder, D. T. D., Evers, C., & Adriaanse, M. A. "Bedtime procrastination: introducing a new area of procrastination." Frontiers in Psychology, 5, 611 (2014)

※3 Gollwitzer, P. M., & Sheeran, P. "Implementation intentions and goal achievement: A meta-analysis of effects and processes." Advances in Experimental Social Psychology, 38, 69–119 (2006)

※4 Wood, W., & Rünger, D. "Psychology of Habit." Annual Review of Psychology, 67, 289–314 (2016)

※5 Michie, S., Abraham, C., Whittington, C., McAteer, J., & Gupta, S. "Effective techniques in healthy eating and physical activity interventions: a meta-regression." Health Psychology, 28(6), 690–701 (2009)

※6 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」(令和6年2月)

※7 Wittmann, M., Dinich, J., Merrow, M., & Roenneberg, T. "Social jetlag: misalignment of biological and social time." Chronobiology International, 23(1–2), 497–509 (2006)

※8 Deci, E. L., Koestner, R., & Ryan, R. M. "A meta-analytic review of experiments examining the effects of extrinsic rewards on intrinsic motivation." Psychological Bulletin, 125(6), 627–668 (1999)

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この記事を書いた人
睡眠アプリSomnus
Somnusスリープラボ編集部
累計50万人以上の睡眠をサポートしているSomnus株式会社の専属ライターです。日本有数のSleepTech企業として培ってきた知見やデータをもとに、睡眠でお悩みの方はもちろん、皆様の睡眠を改善するための情報を発信しています。
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