【朝が辛い人必見】「寝たはずなのに眠い!」を解消する朝の行動
「しっかり寝たはずなのに眠い。」
「いつも通りの時間に起きたのに目覚めが悪い。」
このような、「朝が辛い」という状態になっていませんか?
その原因は、体内時計にズレが生じているからかもしれません。
体内時計は人の睡眠と覚醒のリズムを作り出しているので、体内時計が乱れると夜はなかなか眠たくならず、逆に日中に眠たくなる等のトラブルを引き起こします。
そこで体内時計をリセットさせることで、そんな辛い朝を克服しましょう。
この記事では、朝に体内時計をリセットするための簡単な行動をご紹介します。
1. 体内時計をリセットする
1-1 体内時計とは?
人が朝起きて活発に活動し、夜にねむたくなって寝る、という1日のリズムを「概日リズム」(サーカディアンリズム)といいますが、このリズムを作りだしているのが体内時計です。
体内時計の1日の周期は24時間よりも少し長く(個人差があります)、1日の地球の自転の周期は24時間なので、放っておくと日に日に少しずつズレが生じていきます。
よって、うまく体内時計を調節しないと、就寝するときに寝つきが悪い、いつも通りに起きたのに目覚めが悪い等、睡眠の質に影響を及ぼしてしまいます。
体内時計には、脳にある親時計と全身の細胞の1つ1つにある子時計の2種類があります。
この2つの体内時計を調節し、連動させることが1日のリズムを作る上でとても大切なのですが、親時計と子時計ではそれぞれ調節の方法が異なるので注意が必要です。
体内時計は人の1日の活動のリズムを作る機能で、脳にある親時計と全身の細胞にある子時計の2種類がある
体内時計の周期は地球の自転周期より長いので、調節しないとズレが生じていき、体に悪い調子をもたらす
2. 体内時計をリセットする方法 ①:朝起きたら光を浴びよう!
親時計は、朝の光でリセットされます。脳が目から入ってきた光の刺激を受けて目覚め、24時間のリズムを刻みだし、全身の細胞に1日の活動の始まりを告げます。
朝の光を浴びることは親時計をリセットする効果のほか、睡眠に誘うホルモンのメラトニンの分泌を抑制し、覚醒を促す効果もあります。
メラトニンは光を浴びてから約14〜15時間後に分泌されるため、夜には自然と眠くなります。
2-1 日光は睡眠の質を上げる効果も
また、日光には睡眠の質を上げる効果や、活発な活動を促す効果もあります。
アメリカのノースウェスタン大学とイリノイ大学が行った研究によれば、※1
窓があり、日光が入る職場で働くグループ(以下Aグループ)と、窓がなく、日光が入らない職場で働くグループ(以下Bグループ)を作り、二つのグループの睡眠を比較したところ、Aグループの睡眠時間がBグループの睡眠時間と比べて平均で46分長く、AグループはBグループよりも身体活動が多いという傾向が見られました。
2-2 光を浴びるタイミング
光を浴びるタイミングは、目覚めた後すぐが理想的です。また、天気が晴れの日でなくとも、曇りの日や雨の日でも効果があります。
朝起きたら、すぐにカーテンを開けて光を浴び、体に1日の始まりを知らせましょう。
親時計は、朝に光を浴びることでリセットされる。起床後すぐに浴びると効果的
3. 体内時計をリセットする方法 ②:毎日、朝食をしっかりとろう!
子時計は、食事を取ることでリセットされます。
特に朝食が最も強く体内時計を整える作用を持つとされています。朝食をとるタイミングは起床から1~2時間以内に食べるのが良いとされています。
朝食の内容は、メラトニンの原料となるものを摂取すると、夜間時にメラトニンが生成されやすくなるため、夜のスムーズな入眠が期待できます。
メラトニンは「セロトニン」というホルモンから生成されます。
セロトニンは必須アミノ酸の一つである「トリプトファン」から生成されるホルモンで、生成段階で「ビタミンB6」を必要とするので、トリプトファンとビタミンB6の2つを多く含む食品をとるのがおすすめです。
3-1 おすすめの食品
トリプトファンを多く含む食品
- 大豆製品(豆腐・納豆・味噌・豆乳など)
- 乳製品(牛乳・ヨーグルト・チーズなど)
- 鶏卵、魚卵(タラコなど)
- ナッツ類(アーモンド・クルミなど)
- ゴマ、はちみつ、バナナ、白米など
ビタミンB6を多く含む食品
- 魚類(サケ・サンマ・イワシ・マグロ・カツオなど)
- 乳製品(牛乳・ヨーグルト・チーズなど)
- ニンニク、牛レバー、鶏肉など
上記の食品がおすすめですが、1日に生成されるメラトニンの量は限られているので、食べれば食べるほどメラトニンが生成されるわけではありません。
偏りすぎる食事は身体に悪いのでバランスの良い食事を心がけましょう。
食材によく噛んで食べるものを使うと、刺激によって目覚めが促されるのでおすすめです。また、温かい汁物を添えるとさらに効果的です。
朝食は体内時計を整えることのほかに、1日の始めのエネルギーの補給、身体機能の活性化など大切な役割があります。
朝はバタバタして忙しい、という人もできるだけ朝食の時間はつくるようにしましょう。
子時計は、朝食をとることでリセットされる。起床から1~2時間以内に、トリプトファンとビタミンB6が含まれたものをとると効果的
4. まとめ
体内時計をリセットする方法をご紹介しました。
体内時計は、親時計と子時計が連動していないと、バランスが崩れて身体に不調をきたしてしまいます。
つまり朝の光と食事はワンセット。光を浴びながら朝食をとり、親時計、子時計をそれぞれリセットさせましょう。
また、体内時計は毎朝同じ時間に同じ行動をとることでさらに調節しやすくなります。
毎日は難しくても、週2、3日の決まった曜日には同じ時間に起きる、といった習慣をつくると良いでしょう。
目覚めが悪い・朝が辛いを解消して、1日をシャキッと始めましょう!
※1 Northwestern University
https://news.northwestern.edu/stories/2014/08/natural-light-in-the-office-boosts-health2021年1月21日アクセス
厚生労働省 "快眠と生活習慣" https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-01-004.html 2020年8月7日アクセス